フェア・ウォーニング/フェア・ウォーニング
FAIR WARNINGの1stアルバム。
デビューアルバムながらも骨太で重厚なサウンドに負けない、輪郭のはっきりとしたメロディ。
ヘヴィでありながら耳をとらえるフックのある楽曲たちはいずれも圧倒的な完成度を誇る、まさにメロディアスハードロックの名盤。
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収録曲
- Longing For Love/ロンギング・フォー・ラヴ
- When Love Fails/ホエン・ラヴ・フェイルズ
- The Call Of The Heart/ザ・コール・オブ・ザ・ハート
- Crazy/クレイジー
- One Step Closer/ワン・ステップ・クローサー
- Hang on/ハング・オン
- Out On The Run/アウト・オン・ザ・ラン
- Long Gone/ロング・ゴーン
- The Eyes Of Rock/アイズ・オブ・ロック
- Take A Look At The Future/テイク・ア・ルック
- The Heat Of Emotion/ヒート・オブ・エモーション
- Take Me Up/テイク・ミー・アップ
- In The Ghetto/イン・ザ・ゲットー(2006年再販時ボーナストラック)
- Hold Me/ホールド・ミー(2006年再販時ボーナストラック)
解説
Longing For Love
重みのある8ビートで始まる本アルバムの1曲目。
シンプルなハードロックで始まると思わせながらBメロ、サビにかけて流れるようにメロディを展開。ヨーロッパ的な叙情性を発散していく。
歌心がありながらテクニカルなギターソロも聴きどころ。
When Love Fails
2曲目。こちらは重厚かつシリアスな印象の楽曲。
哀愁と力強さを併せ持ったボーカルが印象的。
通常のギターより高音域の音色を出すことができる「スカイギター」を使用したギターソロ(アウトロが分かりやすい)聴くことができる。
The Call of the Heart
バンドの叙情性が存分に発揮された3曲目。
美しいメロディラインをバラード調の曲だが、サビでは高揚感がありながらも切なさのある歌メロをエモーショナルを歌い上げる。
哀愁をたっぷりと吸収したギターソロはハモりもあって、より「泣き」の部分を強調している
Crazy
これまでの流れから一転してアップテンポな4曲目。
アメリカンロック調の陽気な雰囲気が絶妙なポップロックで、アルバムのなかでも明るさが際立つ一曲。軽快なシャッフルのハネたリズムとキャッチーなメロディが特徴
ツインギターのハーモニーがたまらない。
One Step Closer
これまた一転して重厚なハードロックの5曲目。
ハードさとキャッチ―なサビが絶妙なバランスで共存しており、隠し味のキーボードがほどよいアクセント。ハイトーンのボーカルが曲に良い緊張感を与えている。
Hang on
個人的に大好きなファンク色の強い6曲目。
ハネたリズムのポップさもあるが、タイトなドラムとヘヴィなギターがしっかりとした骨太さも感じさせ、キーボードも程よく楽曲のスパイスになっている。
豪快なフレーズのギターソロの裏で生物的でうねるベースラインが耳を引く。
Out On The Run
イントロから哀愁をまといながら疾走感あふれる、これぞ”メロディアスハードロック”と呼ぶべき7曲目。
全編にわたるハイトーンのボーカルが憂いをおびたメロディに呼応し、より強いカタルシスを感じることができる。ペダルフレーズを交えた流麗なギターソロも美しい。
タイトなドラムとベース、効果的なキーボードにクリーントーンとヘヴィなディストーションのギターでカラフルなアレンジ。まさに名曲。
Long Gone
8曲目。リリカルなアコースティックギターのイントロ。それだけで名曲だと感じさせるバラード。
Aメロ、Bメロからサビにかけての流れ、「静から動」のコントラストが非常に美しくどこかもの悲しさも感じさせる。これこそがまさに”哀愁”だと思わせてくれる楽曲。
ここまでの曲に対し負けることなくエモーショナルかつ表現力豊かに歌い上げられるボーカルの力量が最大限に生かされている。転調も絡めながら紡がれるギターソロはアルバム屈指のハイライト。
The Eyes Of Rock
前曲から雰囲気を一転してドライブ感のあるハイテンションな9曲目。
感傷的な気分を一瞬にして晴らしてしまうポジティブな魅力を持った気持ちの良い曲。ライブ映えするノリの良いキャッチ―さを持った健康的なハードロックナンバー。
Take A Look At The Future
壮大なスケール感を持った10曲目。やや陰りのあるダークなアレンジに力強いボーカルが対比となって浮遊感のある楽曲となっている。
アウトロの分厚いコーラスで締めくくるあたり、ただのロックバンドとは異なるセンスを感じさせる。
The Heat Of Emotion
11曲目。唯一の(ボーナストラックを除けば)作詞及び作曲者がメンバーではなく、母体となったバンド「ZENO」からの提供された曲となる。
泣きのメロディを持った美しくも情熱的なタイトル通りの楽曲。
Take Me Up
アルバムの最後を飾る感動的なバラード。8曲目の「Long Gone」とともにバンド屈指の美しさを持った名曲。
デリケートなメロディからエモーショナルで力強いサビへの展開はまさにバンドの魅力を凝縮しており、続くギターソロは感情を熱くさせ胸を震わせる。
聞き終えたころには心地よい聴了感を得られる楽曲。
In The Ghetto(ボーナストラック)
2006年再販時に収録されたボーナストラック。
エルヴィス・プレスリーがリリースした曲をアコースティックカバーしスタジオ収録したもの。当時バンドがレコードショップやクラブを回っていた時によく演奏していたセットリストのひとつとのこと。
Hold Me
2006年再販時に収録されたボーナストラック。デモレコーディングされていた楽曲のひとつでアルバムには収録されなかった未発表曲。
これからアレンジされる予定だったのかややあっさりとした無駄のない印象。
ミッドテンポのややポップさをもった曲で、「スカイギター」の泣きの高音がギターソロで聴くことができる。
まとめ
以上14曲を簡単に紹介してみました。
「メロディアスハードロック」のなかでは特にここ日本で人気を隠したFAIR WARNING。ハードな中に哀愁をまとわせた良い曲ばかりのこのアルバム。この機会にぜひ一聴してはいかがでしょう。
新たな音楽との出会いがあることを願って。Shino
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